症例:僧房弁閉鎖不全症
2019.03.26
心臓の弁は、血液の逆流を防ぐ役割をしています。
この作用で、本来心臓は一方向に血液を送り出しますが、僧房弁閉鎖不全症では、全身に血液を送る際に、心臓の弁のひとつである僧房弁が閉じきらず、血液の一部が逆流してしまいます。
この結果、血液を正常に送ることができず、心臓に負担がかかります。
この状態が続くと心臓のポンプ機能が低下し、心不全の状態となります。
高齢の動物に起こりやすく、基本的に完治することはありません。
初期の場合は、聴診で心雑音が聞こえる他は症状がありませんが、徐々に喉にものがつっかえたような咳や、運動時に倒れるなどの症状がみられるようになります。
症状が進行すると、肺に水が溜まったり(肺水腫)、呼吸困難から舌の色が真っ青(チアノーゼ)になり、死亡することもあります。
上記のような症状がある場合は早めに来院いただくことをお勧めします。